Sommelier

日本のアルザスと呼ばれる場所

長野の中心から車で1時間ほど東にはしるとその村にたどり着きます。
あたりは山に囲まれていて、田んぼや果樹園が広がり、時間がゆったりと流れてるその村は、人口7000人ほどの小さな村で、高山村と言います。
昔から農業や林業が盛んな村でしたが、さいきんでは観光にも力をいれていて、そのひとつにワインがあり、村のキャッチコピーは「おいしいワインが生まれる村」。
この、のどかで小さな村、高山村で新しくワインを造る若者たちが増えてきています。

次から次へとあたらしい生産者が生まれている高山村ですが、とくに人気のある生産者が、信州高山村福井原の標高800メートルに位置する、自然に囲まれた家族経営のワイナリー・ドメーヌ長谷。
高山村の福井原までたどり着くためには山林の中にある曲がりくねった山道をすすみ、川を渡るとその先にあります。
山道から急に開けた場所に出るため、突然あらわれる広大な大地と空に圧倒されます。
「初めてここを訪れたとき、この荒れ果てた斜面にブドウ畑が広がる光景がぱあっと浮かんで、『絶対にここでやる!』と決心しました。そしてこの村に移住してきました」
と、造り手の長谷光浩さんは語ります。

福井原の標高は800mほど。日本のブドウ園の中でも冷涼な部類に入ります。
長谷さんはこの福井原を「日本のアルザス」とイメージしていて、実際この冷涼な気候から造られるワインはアルザスのような豊かな酸が特徴のエレガントなスタイル。

このフクイハラ・ブランはシャルドネ、リースリング、ゲヴェルツトラミネール、ソーヴィニヨン・ブランなどをフィールドブレンドしていて複数の品種を混ぜて栽培(混植)し、混ぜて発酵(混醸)させるワイン。
このワインをひと口含むと、白桃、柑橘とさまざまな風味が次々と魅了してくれます。
けれど、全体としては味わいにまとまりがあり、やわらかく身体に沁み入ります。
その背後には酸が控えていて、エレガントに味を引き締めてくれます。

あまりのおいしさに今では入手困難になってしまったフクイハラ・ブランですが、今回グラスでご用意しております。
まだ未体験の方に、ぜひこちらの日本ワインを試していただきたいです。

フクイハラ・ブラン 2021 ドメーヌ長谷

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