シャセイ・ル・カン村。
その村はサントネイとリュリーの間にある小高い丘のてっぺんにあり、その村にたどり着くまでの道のりは木々に覆われていてまるで森のよう。
その木々の間を走る細い道を抜けると、この人口80人ほどの小さな村にたどり着きます。
この村にはもともとたくさんすばらしいブドウ畑があったのですが、フランス全土を震撼させたフィロキセラ以降、ブドウ畑は荒れ果て、忘れ去られていました。
この忘れられた村シャセイ・ル・カン村のブドウ畑を復活させたのは細身で精悍な顔立ちをした「ダビド・ディドン」でした。
彼はモンティーユで栽培責任者として現在でも働いており、モンティーユにビオディナミを導入した人物でもあります。
彼が買った畑の所有者はジョニエお爺さん。当時95歳と高齢のため、すでにワイン造りを放棄していた畑でした。
しかし、その荒れ果てた畑のブドウの樹を一本一本、じっくりと観察してまわったときに、彼はそのすばらしさに気づいてしまったのです。
ジョニエお爺さんはだれに教えられたわけでもなく、いままでの経験と勘で、マサルセレクションを実践し、すぐれたブドウの樹を残していました。
手付かずで放置された畑は雑草などが生い茂り、そこがブドウ畑だったかもわからないほどの荒れようでしたが、この古木たちは死んでいなかったのです。
ブドウ畑は荒れ果てていたものの、土壌はジュラ紀の粘土石灰質。
森と隣接しているため健康状態も悪くなく、ダヴィド・ディドンの手によって最良の状態に回復させることができました。
ブドウの樹齢も1947年〜1960年に植えられたシャルドネ、アリゴテ、ピノ・ノワールで、しかも、南東を向く2haの1枚畑で緩やかな斜度があり、葡萄にとっても人間にとっても理想的な環境です。
ダヴィド・ディドンは言います、『この村の歴史的な畑を再び活性化し、伝統的なワイン造りを通して、この村を守っていくことが自分達、農民の使命だと思っている』と。
ビオディナミで畑の声を聞き、最良のサポートをすること、最適のタイミングで収穫することが全てだと彼が言うように、本職である栽培に重きをおいてます。
醸造に関してはシャセイ・ル・カン村の伝統的なスタイル。
茎まで熟した状態で収穫し、除梗せずにエナメルタンクで区画毎に野生酵母のみで発酵しています。
Bourgogne Aligote 2020
ブルゴーニュ・アリゴテ
マッサル・セレクションによる古いアリゴテのクローン。
古木のため収量が少なく、高品質。
手作業で収穫し、エナメル発酵槽で野性酵母のみで発酵。
マロラクティック終了後に強調しすぎないように古い樽とステンレスタンクで熟成してアッサンブラージュ。
熟成期間は12ヶ月。
ミネラル感を強く感じさせ、後半の伸びがあるので飲み飽きしません。
グラスにてご用意しております。
なくなり次第、終了とさせていただきます。
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