ワインはただ飲むものじゃない、と僕は思う。 確かに、グラスを傾けるだけでも十分楽しめる。でも、その本当の魅力は料理とのペアリングにあるんじゃないかな。 今回はエルブランシュのソムリエである私がワインの味わいをさらに引き出すための3つの秘訣をあなたに伝えます。
🍴料理の風味を引き立てる
料理とワインの相性、それは一種の化学反応だ。 たとえば、エルブランシュのメイン料理で提供している「鴨胸肉のロースト」。この料理に合わせるなら王道はピノだけど、僕は日本の自然派ワインで合わせる。 鴨肉の豊かな旨味と自然派ワインのほのかな酸味が、まるで古くからの友人のように静かに調和する。ワインと料理のバランスを意識すること。それはひとつの小さな世界を丸ごと味わうような、そんな感覚に近い。
🍴温度は大事だ。とても大事だ。
ワインは温度によってまるで別の顔を見せる。赤ワインは室温で、白ワインはそのまま冷たく、が基本とされている。 でも、白ワインを肉料理に合わせるとしたらそのままだとちょっと厳しい。白ワインの酸味が浮いちゃうからね。 こういう場合、たとえば白ワインで有名なシャルドネ種を、脂の甘みに寄り添うように温度を少しあげると酸味がやわらぎ、ワインの甘みもじんわりと広がる。温度が少し違うだけでその印象がまるで変わるんだ。 温度、それはワインの奥深さを探るためのひとつの鍵なのかもしれない。
🍴雰囲気もまた、味わいの一部だ。
ワインは、特別な日のためのものじゃない。 日常の中にこそワインの本当の楽しさが潜んでいる。リラックスした空間でゆっくりと料理と共にワインを楽しむ。それだけでワインが語りかけてくる言葉がもっと鮮明に聞こえてくる気がするんだ。
だからワインに興味があればフレンチレストラン初心者だって全然気にしなくていい。エルブランシュでフレンチと日本ワインの意外な出会いを体験してみてほしい。 僕に尋ねてくれればきっと君にぴったりの一杯を見つけるお手伝いができると思うんだよね。
ソムリエ・カブ
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